太陽光発電アドバイザーへのインタビュー

太陽光発電アドバイザーにインタビュー
毎年7月には伝統の博多祇園山笠で賑わう大博通り沿いに会社を構え、創業350年を迎える井上喜株式会社。同社で新事業開発部太陽電池事業室長を務めるのが、太陽光発電アドバイザーの奥野星洋さんだ。今回は、奥野さんに資格取得の経緯やどのように活用されているかなど、生の声を伺った。

一人で立ち上げた太陽光発電システム事業。


−奥野さんは現在どのような仕事に従事されているのでしょうか?


現在は企業や団体に太陽光パネルの設置をご提案しています。ただ、元々うちの会社は薬品関係を扱う会社なので、私も最初は半導体に使う薬品などを提案する電子材料事業部にいました。その中で現在はパネルも手掛けている長州産業さん(山口県)と一緒に仕事をしていて、長州さんから「一緒に太陽光発電システムの開発やらないか」ということでお話があり、立ち上げ当初は電子材料事業部に属しながら一人でやっていましたね。
その後、社長も新事業開発部で会社としても貢献していこうということで、現在はやっています。でも、当時は、電気を知らない、当然建築用語もわからなく、手探り状態で、建築業者や電気関連企業、メーカーなどに教えてもらいながら、やっていきました。本当にその当時は大変でしたね。

−本当に立ち上げから携わって、現在の姿があるのですね。そうすると、様々なお客様と出会ってきたのではないですか?


そうですね。最初は早良体育館に導入し、その後はマンションに取り付けたりもしています。太陽光パネルは取り付けたら、「はい、おしまい」ではなく、そこからがスタートで10年や20年間お客様のフォローしていく商品だと思うんです。
井上喜はおかげさまで350年の歴史があり、先輩方が築いた伝統を守るためにも、お客様のフォローはしっかりしています。取り付けたパワコンやパネルなどに不具合がないかは気にかけています。お客様からは、そのようなときに「買ってよかった」と言っていただくとこの仕事をしていてよかったな、と思いますね。

知識が少ないとどうしても発言が曖昧に。

−では、なぜ太陽光発電アドバイザーに興味を持たれて、実施に受験されたのですか?


私は、第2回試験で受かっているのですが、実は第1回のときは資格自体知らなかったんです。よく書店には行くので、そのときに公式テキストをみて、初めて知りました。 今までは太陽光に関する資格で、販売に関するものがなかったんです。販売する側は法律など様々なことを知らないといけないですし、知らないとお客様にご迷惑を掛けることにもなります。太陽光発電アドバイザー資格は網羅しているので、太陽光発電システムを販売する限りは取っておかないと、(お客様の)信頼は得られないと思うんですよ。知識が少ないとどうしても発言が曖昧になりますし。また、自分の今(のレベル)を知るために資格を取ろうと思いました。

−実際に受けていかがでしたか?


自分の知らない部分が見え、何より勉強になりました。自分の場合、販売なので法律的な部分はきちんと勉強しないといけないと思いましたし、苦労しました。特にこの業界は急速に成長しているので、日々新しい情報を持っておかないといけないですね。

−学習はどのくらいされたのですか?


仕事もしていたので、試験の3ヶ月前くらいからはじめました。勉強はまず問題集をやって、間違えたところをテキストに戻って確認していました。どうしても、働いていると効率的にやらないといけないですし、先ほど申し上げましたが、業界が急速に発展して、情報も変わっていくので効率的にやらないと情報が古くなっちゃうんです。

−学習で苦労された点はありますか?


法律ですね。特に私の場合、ケミカルからシステムまで扱い、企業や団体を相手にするBtoBなので、C(=個人)の部分を理解するのが苦労しました。

資格取得で凸凹だった知識が高いレベルで平らに


−現在は同僚や部下の方にも資格取得を勧められているそうですが。


試験を実際に受けてみて、しっかりしている試験だなと思ったので、勧めています。太陽光発電システムを販売するには、最低限勉強しておかないといけない資格だとも思いますし、カバーできると思います。この前も関東の部下から「やっぱり太陽光発電アドバイザーを取っておいた方がいいですか」と聞かれたので、取るようにいったところです。

−実際に受験してみて、特に知識が延びた箇所などはありますか?


やっぱり法律の部分ですね。お客様との話で法律的な部分の話ができるようになりました。もちろん専門的な部分は、弁護士などの専門家にという形でお話をしますが、きっかけを作れるようにはなりました。知るまでは曖昧な部分もありましたからね。そのことで凸凹だった知識が高いレベルで平らになったのは間違いないですね。

−その後合格されて、太陽光発電アドバイザーとして登録もされたわけですが、実際の仕事でどのように活用されていますか?


お客様から安心感を得られるようになりましたね。もちろん名刺にも「太陽光発電アドバイザー」と入れていますし、そのことで、何の資格もなくて売るより、太陽光発電アドバイザーを持っていることで、変なヤツじゃないなと安心感を与えていると思います。先ほども申し上げましたが、太陽光発電システムは売って終わりではないので、(お客様と)10〜20年のお付き合いになりますし、100万円単位と安い買い物ではないので、信用できないところや資格を持っていないと買わないんじゃないかと思います。

情報は待つのではなく、取りに行く!


−奥野さんはセミナーなどにご参加いただいていますが、実際にセミナーでの内容はどのように活かされていますか?


先日も税に関するセミナーもありましたが、(自分の)弱い部分を補強する意味で参加しています。(アフターメンテナンスを取り扱った産業総合研究所の)加藤和彦先生のセミナーにも出たかったんですけどね。そういう意味では、自分の知識をブラッシュアップすることができると思います。情報は待つものではなく、取りに行くものですし。その中で自分の中で選別していけばよいと思います。

−最後にこれから太陽光発電アドバイザーを目指す方に一言お願いします。


太陽光発電システムをこれからも販売していくと思いますので、資格は取ったほうがいいと思います。そして、ぜひこの業界を一緒に盛り上げていきましょう。また、仕事をしていて分からないところに、勉強しながら知識を入れていくと良いと思います。
2014年1月24日収録